木を植えた男。

気候の激しいプロヴァンス、大戦前のお話。

ある男が半生をかけて植え続けた木々の種が、
やがて不毛の大地に
森をもたらし、
水をもたらし、
村々は再興して、人々は、
若さと冒険心をとりもどしはじめたのだそうです。

その影で男は、
戦禍を超え、
言葉を失うほどの孤独を超えて。

その神の行いを誰に知られるでもなく、
やはり独りで亡くなっていきました。

寛大な心。
熱情。

記録によると男は、
ただ大地がゆっくりと変化していくのを見るだけで
十分に幸福だったのだそうです。

「木を植えた男」。
あるゲストの方に贈られた、印象深い一冊。

ああ、けさもスプウン谷に新しい太陽が昇り始めました。

(村長)